差別のこと

Black Lives Matterだけの話ではない。
差別はどこにでもあり、いくらでもある。
そのことを考える一つの機会がBLMだというだけなのに、
日本人は「どうして黒人ってわざわざ言わなきゃならないの?」などときょとん顔でぬかしやがる。
当たり前だ。日本にいる黒人はごくわずかだ。黒人の多い白人社会に住んだことのない人間が神妙な顔でBLMなど唱えようものなら、私は一笑に付す。(心がお優しいのね、とは思いますが)

そうではない。あなたは、部落問題を知らないのか?
かつて「バカチョンカメラ」という名前が普通だったことを知らないのか?
我が国には差別などない!などと言うおつもりなのか?
差別はどこにでもあり、いくらでもあるということを
我が身を振り返って、しっかり認識するための機会にしよう、というのが趣旨だと私は思うのですが。
社会問題を分解するのが下手で、文字通りにしか受け取れない奴はニュース読むなって思っちゃうけど、このスマホ時代、そうもいかない。
だから、目に余ると思ったらこれからも書く。
私の心の健康も重要なので……。


差別はどこにでもある。
分かりやすい説明をと思ったら、昔体験した妊活問題と中絶問題のことを思い出した。
妊活がどれほど大変かは、してる人が知り合いにも何人もいたから、投薬とか、そもそも検査自体も費用も大変で、精神的にも自分を責めて責めて、喉から手が出るほど子供が欲しくて頑張って。
それは分かる。君が欲しいと思うなら、そうなんだろう。それをどうこうとは思わない。
だけど、その友達が、
望まない妊娠が起きてしまって中絶した別の友達を、「人殺し」と糾弾したとき、私の怒りは沸騰した。
同じ女であるあなたが、どうしてそんなことを言う権利がある?どうして?
おそらく、喉から手が出るほど欲しいものを目の前でポイ捨てされたように見えたんだろう。おそらく。だが、それは全然違う話なんだ。あなたは結婚して、家庭があって、子供を育てる基盤が経済的にも心理的にもあって、二人揃って子供を望んでる。そういう、同じ状況の人が中絶したってんなら、まだ怒るのもちょっと分かる。いや、分からないけど。だって、誰が好き好んで好みで中絶手術なんか受ける?もしそうなんだとしたら、何か凄まじい理由があると思うよ。もちろん、世の中にはドクズの女も全然いるから、0じゃないことぐらいは知っているけれど。
だが、その子は、どうしても産めない状況だった。相手は別の女のところへ去った後で、自分は精神疾患があって、稼ぎもままならなくて、相手に捨てられて絶望してた。そこへ、妊娠だけが発覚した。そういう状況。
どうして、その女だけが人殺し呼ばわりされるんだ?
正確に言えば、妊活してた友達は、その相手のことも人殺し呼ばわりした。
だが、それは本当にそうか?
全員が全員、あなたと同じように、安定した経済基盤と円満な夫婦生活を持っているのだとあなたは思うのか?子供のために我慢して結婚して産んで養ったら、えらい、よくやったとでも言うつもりだったのか?何様ですか?それによって個人の自由と意志が奪われ、その夫婦は絶対に長続きしない。その結果別れたりしたらまた、子供を不幸にした、と糾弾するのか?
するんだろうな。すると思う。いつだって、度を越した攻撃はそういう、たまたま今の時代に良いとされている行為を全て忠実に守ることで自分は正義だと、社会の一時的な価値基準をかさに着ている、「普通の人」が、するものだから。
いつだって、罪人に石を投げたのは、「罪のない一般市民」だから。
(そういう意味では、罪なき人間などこの世に一人もいないってことが分かるはずだ。何千年も前から人間はこの点において全く進歩していないのだから)

その人とその子では、状況が違い過ぎた。
なのに、一方的に、
自分が欲しいものを持つことができないと選択したという、ただそれだけでその人は、自分が正義だと信じ、その子を糾弾した。
人殺しだと。
よりによって、本人が一番苦しい思いをするキーワードを選んで。
心身がズタズタの状態の人をさらに千々に引き裂いて肉片を踏みにじるような言葉
で、糾弾した。

私は、その人が将来なにをしてどうなろうと、あなたの言い草は決して忘れない、と思った。悪い意味で。



この話の意味が、分かりますか?
私が言いたいのは、どれだけ人間が簡単に、自分が正しいと信じてしまえるか、ということです。
ちょっと自分が頑張ってたら、自分だけが苦しい思いをしていて他の人は安楽に暮らしていると思い込み、攻撃する。
どれだけ人間が、ありとあらゆるごくごく個人的な理由で他人を憎み、非難し攻撃し、精神的肉体的に虐げ、あまつさえそれが団体ともなれば法律を制定することすらできる。
人間は昔からそうやってやってきた。
そういうの、もうやめにしませんか。っていう、その形の一つがBLMだということなんですけど。
そういうの、分かんないんですか。なるほど?ふーん?
分からないならせめて分かりませんって言うか、黙っててほしいな。て思うけど、呆れて黙り込むのはいつだってこっちの方なんだよな。
何なんだ。これ。


例えば、そうやって血を吐くような思いをして妊活して授かったあなたの娘が、未成年で不幸な犯罪や、もしくは愛と信じて行なった行為のせいで、妊娠するかもしれない。んですよ。実際、めちゃめちゃよくあること。
で、そうしたら、その人はなんと言うのかな、と。知ってますか?
大抵の場合、「うちの子に限ってそんなことは起こらない」と言います。
で、そういう事件がそういう家で起こったことは、あまりにも数多く存在してるんです。強く言うならば、あなたの子供が女に生まれた時点で、全ての女性にその可能性があるからです。私たちはそういう、危険な性をなんとか生き抜かねばならない。妊娠リスクのない、妊娠で体を痛める必要のない男性の理解を待っていたら日が暮れる。レイパーはいなくならない。彼らはその力を生まれ持った当然の権利だと信じているのだから。
なのに、親のあなたは過去、その全ての女性のせめてもの最後の砦である中絶の権利を、人殺しだと言ったのですね。て私は思う。


差別はどこにでもあるっていうのは、そういうことです。
想像力のなさが、自分は絶対正義であると信じていて社会からも善とされているという「隠れ蓑人生」こそが、あなたの目をものすごい勢いで狂わせているというのに、それを恥じもせず、その恥を知りもしない。知ろうともしない。指摘されたら気が狂ったように「だって」「でも」と繰り返す。ああ、うんざり。想像力に乏しい人たち。自らをそういう形でしか認めてあげられない、人間力の乏しさと愛の貧困。
私は、そんなあなたのそういうところは、大嫌いです。


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